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WWOOF使ってフランスの田舎で農業体験してきた話

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ことの始まりとして2022年の年末にスペインのテネリフェ島に一人で旅行し、夜の星空を眺める少数人数のツアーに参加しました。

そのツアーに参加したのは、アメリカから来た若いカップルとイギリスから来た老夫婦、そして私(独身)で、

とても寒い夜の山の頂上でカップルたちがハグをしながら夜空を眺めていたのを横目に、とてもみじめな気持ちになり「もう当分旅行をするのはやめよう」と誓いました。

これはその時とった星の写真です。

2023年の年始の目標の一つには「旅行に行かない」と書きました。

それから月日が経って2024年3月。

ロンドン生活にも飽きてきて、プライベートで大きな挫折があり人生に行き詰まったような気がして、何をしても解消されなかったのでなにかより大きな逃避がしたいと思うようになりました。

そんなわけでかねてより噂を聞いていたWWOOFを使って、フランスど田舎で農業ボランティアをしてきたので、つらつらと感想でも書いていこうかなと思います。

(冒頭の余談が長くてごめんねw)

目次

はじめてのWWOOF

WWOOFとはなんぞや、という人のために簡単な概略を。詳細は書きません。簡単にいうと農業ボランティアです。

WWOOFerと呼ばれる人は一日4-6時間の労働を提供する代わりに、農家の方から宿とご飯を提供してもらえます。

WWOOFは国別にサイトがあり、それぞれに対して年間のメンバーシップを支払う必要があります。(フランスのWWOOFだと25ユーロぐらい、一年間有効)

日付や滞在日数、滞在人数、農業のタイプ(野菜・酪農など)などの好みのフィルターをかけてホストを検索し、ホストに連絡をしてメッセージをやり取りした後、Acceptしてもらうという流れです。

私の場合は

・一人での参加
・野菜弄るよりはチーズとか酪農系がいい
・動物に触れたい
・自然に触れたい
・パリから電車で通える範囲

という感じで探して実際に訪問する一週間ぐらい前にホストから承認を貰いました。

日程の取り決めについては数ヶ月前に決める人、数日前の人、など予約するタイミングは人それぞれらしいです。

場所はフランスのDijonという街からから車で40分ほど行ったところでした。

交通の便のことを全く考えずに承認を取ってすごく苦労しました。

というのもバスぐらいあるやろ・Uber使ってもそんなかからんやろ、という甘い考えだったのですが、バスは一日に一本しかなく中途半端な時間で、UberもDijonから農場は片道£80という感じでした。

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久しぶりの無計画旅行

旅行に行く時はいつもスプレットシートを用意し、縦軸に一時間単位、横軸に日付を記入して、移動時間や大まかな観光名所、宿泊先などを事前に埋めるのが私の慣習です。

これは例としてイタリアに行った時のスプレッドシート。。

慣習というよりはそうしないと不安で旅行が楽しめない気がしてそうしていたのですが、

今回はロンドンのガトウィック空港来た時点で、どこに泊まるか、どうやって農場に行くのかは全く決めてませんでした。

でもそれでもなんとかなりました。

最終的なスケジュールはこんな感じでした。

一日目:
ロンドンからパリに飛行機で、パリからDijonという街に電車で二時間移動して宿泊
二日目:
Dijonから農場にBlabla carというものを使い(約30分)移動、ある時点で農家さんにピックアップしてもらう
三日目:
夕方まで滞在し、Blabla carでDijonに戻り、Dijon宿泊
四日目:
Dijonからパリに移り、パリを少し散策、空港に戻りロンドンへ

Blabla carとはフランスでカーシェアリングに使われるアプリで、この日にここからここまで行きたいと検索すると、その道を通るドライバーを表示してくれるアプリです。

地方だからかフランス語しか喋れない人が多いのと、中途半端な距離移動しか必要としていなかったため、なかなかドライバーが見つからず苦労しました。

丁寧なメッセージを書いてRequestを送っても3〜4人ぐらいには平気でDeclineされました。

ですが、結果的に行きも帰りも女子大生に乗せてもらうことができ、お互い拙い英語で会話を楽しむことができました。

いやこのBlabla car使わなかったらUberだと片道£80ぐらいかかるところでしたが、Blabla carのおかげでトータル£10で済んだのは本当にありがたかったです。

なんというか、文明の力には感謝しかないですね、スペシャルサンクス文明の力。
Blabla carだけでも1記事にできそうなので後で書こうと思います。

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フランスのWWOOFでどんなことをしたか

結果的に農場には1.5日しかいませんでした。
一人でない時間が長続きすると超精神疲労する病」がある私にはちょうどよかったです。

人によっては一週間や一ヶ月滞在する人もいるみたいです。

そんなわけで私がフランスのWWOOFでどんなことをしたかを紹介します。概ね以下の通りです。

・チーズ工場でのお手伝い/掃除
・子ヤギの部屋の掃除/用水路整備
・搾乳見学
・鶏小屋から卵拝借
・養蜂場の見学
・牛の牧草おきばの屋根を取り替える
・ねこと戯れる
・ご飯と乳製品全般をご馳走になる

はい、つまり何もしていませんw

農業ボランティアというか、農場体験と言う感じで、とても甘やかされていましたw。

かいつまんで、詳細をみていきましょう。

チーズ工場でのお手伝い/掃除

私が訪れた農家はヤギのチーズの製造をメインとしているところでした。

ヤギのミルクに菌をまぜて、それを一定の湿度・温度で保存し、型につめてカビ菌をスプレーしてまた別室に保存して、というような工程をすべて手作業で行っていました。

その中でも単純作業っぽいことや掃除、洗い物をさせてもらいつつ、さまざまなことを質問していました。

色々な成熟段階のチーズを目の当たりにできて面白かったです。

ざっくりとした全工程は

ヤギのミルクを容器に移し菌を混ぜるー>数日放置
豆腐のようになったミルクを型に詰めるー>数日放置
固まったチーズを型からとりだして菌をスプレーするー>数日放置
湿度・温度の違う部屋に移動ー>数日放置

のような感じでした。(うろ覚え)
製造するチーズの種類によって、投入する菌や維持しなければならない温度が違うそうです。

また、同じ部屋で同じ湿度・温度で管理していてもチーズのためのカビがうまく繁殖するものとそうでないものがあったり、サイズを均等にするのが意外と難しかったりなど、極めて繊細な食べ物であることがわかりました。

綺麗に並べられた真っ白でほんのりとした酸っぱい香り+やさしいミルクの香りするチーズはとても美しかったです。

子ヤギの部屋の掃除/用水路整備

超がつくほど雨女の私、この日も例外なく雨が降りまくっていました。

そこで水びたしになっていた子ヤギの部屋を掃除したり牧草を新しく敷いたり、雨水が外にちゃんと流れるように水路を整備したりなどもしました。

子ヤギたちはとっても元気いっぱい・好奇心旺盛で、おそらく人生の中で見たことないであろう日本人をみつけるやいなや、どついて・・じゃないや飛びついてきました。

写真の下側に見えるのは育成用のミルクを作りだすマシーンで、粉を投入すると液体となって、哺乳瓶の先のような噴出口(?)からミルクを出す仕組みになっていました。人生で初めてみました。

大人ヤギのミルクは子ヤギの飼育用には与えないとことで、製品用のミルクと育成用は分けているのだそうです。

子ヤギはいつみても可愛くて触るとふわふわで暖かく癒しでした。油断するとすぐジャケットを食われました。

搾乳見学

大人のヤギの搾乳の様子も見学させてもらいました。流石にこれは素人ができるようなものではなかったので見学だけでした。

搾乳場には餌が撒かれ、ヤギが首をおくと個体別に首が固定されるようになっており、その間に搾乳する仕組みになっていました。ヤギ小屋自体の作りがよくできていて感心しました。(どこの農家も同じなのか?業界スタンダードなのか?)

普段は下図の③の場所でゴロゴロしているヤギたちを搾乳時にはすべて①に集めて

のところに餌を撒いてから、の扉を開けて一定数のヤギを①から②の場所に連れ込み、ヤギがご飯を食べ始めたらその首を固定していました。

②の場所ではヤギは人間の方にお尻を向けている状態なのでそこで人間が搾乳をし、終わったらの扉を開けて②から③に返す。

そしてまたの扉を開けて①から②へ次のヤギを投入する、を繰り返す流れになっていました。

その扉を紐で開け閉めしているのがなんとも古典的?な感じがして面白かったです。(伝われ)

搾乳自体は手作業でなく、専用の機械を用いていました。搾乳しているときは大人しくしているヤギが大半でしたが、たまに足をもぞもぞ動かすのもいました。

毎日朝8時と夕方6時に行うそうです。搾乳したミルクはチーズ工場に直接送られます。

牛の牧草おきばの屋根を取り替える

牛の牧草おきばの屋根がぶっ壊れていたので、それを取り除いて新しいトタンに置き換え、石を置くという作業をしましたが、周辺がぬかるんでおり、ぬかるみにハマっているだけの私はほぼ役立たずでした。w

あとから牛の姿を見ましたが、たくましい体をしておりかっこよかったです。

以前Youtubeの動画でぬかるみから抜け出すには上に足をあげるのではなく、左右にぐらぐらさせると簡単に抜けるという無駄知識を得ていたのですが、それが役に立った瞬間でした。

ねこと戯れる

すごくフレンドリーなねこがいました。

初対面にもかかわらず、就寝時には私の体の上で寝ようとしたり、どこからかやってきて手を差し出した時はいつもゴロゴロ言ってくれるおもてなし精神100%の可愛いい猫でした。
ちなみに農家にもよりますが、ここには個室がありWifiもあり、快適に寝ることができました。

アニマルセラピー以外のなにものでもなかったです。

ご飯と乳製品全般をご馳走になる

ここまで読んだ方はもうお分かりでしょうが、思っていた以上にあまり労働らしい労働はしませんでした。
あんまりできることもないし、力もないのを察してもらっていたようです。

こんな役立たずですが、WWOOFでは食事と寝床を無料で提供してもらえます。

とくにとれたての様々な種類のチーズやヨーグルトなどを試食させてもらえたのはとても幸せでした。

この写真以外にもたくさんのチーズ、蜂蜜、白ワイン、鴨肉、ガレット、チョコレート、近辺でとれたアーモンド、ご近所さんからもらったというラディッシュなどたくさんの美味しいものをご馳走になりました。(労働と対価が全然見合ってない)

フランスのWWOOFをしてみて何を感じたか

ここからはフランスのWWOOFをしてみた個人的は感想を述べていきます。

まず、動物と自然に思う存分触れることができてよかったのは間違いないです。

ロンドンには公園自体は多いものの、動物と触れ合う機会はあまりないのでその点すごく癒されてリフレッシュしました。

本当に動物たちはみな暖かかく可愛かったのです。子ヤギに対してムツゴロウさんみたいによしよし言いながらもふもふしていた時に「あぁ。。私に不足していたのはこれや!」と思いましたw

月並みですが、動物たちと触れて暖かさを感じ、チーズが丁寧に作られる様を見たあとはやはり食べ物に関して感謝できるようになりました。感謝というか感動が大きい。

あぁ普段なんとなくスーパーで買っているチーズも、あのかわいくて暖かい動物たちの血肉からきていて、そして誰かの労働によってできたものなど実感することができました。

今回お土産としてたくさんのチーズ等をいただいたのですが、食べていると子ヤギたちの顔が思い浮かびます。

あとは農業にまつわる色々な雑学を知ることができました。

チーズの作成方法はもちろんのこと、どんな餌がチーズの味に影響を与えるかとか、雄ヤギが生まれた場合はどうするのか、とか性選択(産みわけ)は牛のみ可能である、とか10のメスの鶏に対し1のオスの鶏の比率が一番コスパいい、だとか普段パソコンいじってプログラミングだけしていたら知り得ない情報をたくさん聞けたのは面白かったです。

またフランスの田舎なので当然家がとっても広くて静かで快適でした。

ロンドンで馬鹿高い家賃を払ってるわりにクオリティが低い家に住んでいる私の人生って惨めだな・・・消耗しているのかな、と思わざるを得ませんでしたw

農家の方になぜWWOOFerを受け入れているのか聞くと、「家にいながら旅行しているような気分になれるから」という答えがかえってきて、妙に納得しまししました。

都会の喧騒から離れて上司とか出世とか気にせず愛する動物たちに囲まれて広い家でゆっくり過ごしつつ好きな音楽を爆音で流して美味しいものを食べ、たまにくる旅人を受け入れる人生も悪くないよなと思い始めました。

英語自体はどちらも流暢ではないので、農家さんと私でお互い「what did you say!??」を100回ぐらい言い合いましたが、それでもなんとか理解できました。

1:プラっと一人で旅行+誰とも喋らない
2:プラっと一人で旅行+ゲストハウスでだれかと出くわして一緒に観光
3:友人と旅行

のどれとも違ったタイプの旅行/滞在でした。

最後に

そんなわけでフランスのWWOOFの体験でした。

年をとるごとに新たな挑戦をすることや新しい人に会うのが怖くなる気持ちを打開できてよかったです。

ロンドンの空港では現地に行く手立てが全くなくて、もう全てキャンセルしてパリだけをブラブラして遊ぼうかなとさえ思いましたが、苦労しても行った甲斐がありました。

またどこか別の場所もチャレンジしてみたいですね。
それでは。


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