イギリス・ロンドンに来てから一番長く(2年)住んだフラットをようやく出ることにし、先日ようやく家が決まりました。
2023年のイギリスロンドンでの家探しは相当しんどかったです。
今回の記事では私のロンドンでの家探しの体験を記録として残し、これからイギリス・ロンドンで家探しをする人の何かしらの参考になればと思っています。
目次
ロンドン家事情:フラットシェアはガチャなのである
そもそもロンドンに住んでいる未婚の20-30代はフラットシェア(一つの家の中で複数人が住み、キッチンやトイレ・風呂を共有する)を選択することが多いです。
どのエリアに住むかにもよりますが、大体のフラットシェアの相場は月£650-900と言ったところでしょうか。
ちなみに一人部屋(スタジオ)に住もうとするとこれまたエリアにもよりますが、最低でも£1000は必要になります。
フラットシェアをする場合、内見時にその人のキャラクターを面接する家もあるのですが、
特にエージェント管理の物件で、入居者の所得やクレジットの審査が通った場合は、基本的には誰でも入居可能です。
誰でも入居できるが故、ある日突然クソ野郎が入居してくることもあるわけで、フラットシェアは正しくガチャなのです。
どんなに部屋自体が良くても、立地が素敵でも、フラットメイトとの住み合わせが悪ければ(特に衛生観念などが著しく違ったりすると)家での生活がかなり苦痛になります。
そして私はこのフラットシェアガチャのハズレを引くことが多く、ストレスの多い日々を過ごしてきました。これはまた別の記事にしたいと思います。
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なぜイギリスロンドンでの家探しが大変になっているのか
私が最初にロンドンで家探しをしたときは2021年の1月ごろでした。
そのときはまだコロナが盛り上がっていたときで、イギリスに住んでいた多くの外国人が職場の倒産などの理由で帰国したこともあり、フラットの価格は安くて買い手市場でした。
今回内見していた時に出会った不動産屋さんのおじさんの言葉を借りるのであれば「コロナのときは大家がテナントに泣きすがって家を借りてくれって言ってたぐらいだったよ」とのことです。
2023年の今、肌感覚でも同じクオリティの物件が平均で£150-200は上がっていました。
つまり同じ部屋で2021年には£700ぐらいだったものが、2023年には900になっている、ということです。。
家は減価償却するはずなのに値段がメキメキ上がるというロンドンマジックが起きています。
なぜこんなに価格が高騰しているのかというと諸々の要因があるのですが、シンプルに家への需要が多いのに対し供給が少ないから、というのが第一でしょう。
または昨今のウクライナ情勢の影響でエネルギー供給が不足してることや、コロナの終焉によるエネルギー需要の増加でガス代が高騰しているので比例して(特にAll Bills込みの物件なんかは)家賃が上がっている、というのも一つの要因でしょう。
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イギリスロンドンでの家探しがどう大変だったのか
それでは実際にイギリスロンドンでの家探しがどう大変だったのかをご紹介したいと思います。
大きく分けると以下になります。
・内見したいとメッセージを送っても返事が返ってこない
・いいと思った物件は既に取られているか、競争が激しい
・内見が平日しかやってなくて仕事の合間に行かなければいけない
詳細を見ていきましょう。
内見したいとメッセージを送っても返事が返ってこない
私がイギリス・ロンドンでフラット探しをしていた際は、Spareroom, Zoopla, Rightmove, Openrentなどのサイトを使ってメッセージを送っていましたが、まず返信が返ってきません。
結局家が決まるまでに、テナント募集の広告に80件ぐらいはメッセージを送っていました。返信率は25%前後でした。
デーティングアプリでは女性として、LinkedInではソフトウェアエンジニアとして、いつも誰かしらからメッセージをもらう側の人間としては、たくさんアプローチして無視されまくるこの状況はなんともショッキングでした。w
かなり急ぎで決めたい場合はメッセージを送るよりは電話をかけたほうがいいかもしれません。多分現地民はそうしているはずなので、、
特にSpareroomなんかは自分のプロフィールに写真を載せたりしたほうが返信率が高まるかなと思ってそうしていたのですが、(Spareroomは貸したい側だけでなく借りたい側も広告が載せられるのですが、多くの人がそうしていました)
こんなの暗黙のルッキズムとレ◯シズムじゃねーかって思いました。
いいと思った物件は既に取られているか、競争が激しい
私が特に苦労したのはこれです。
せっかく返信をもらって内見を取り付けて、一時間かけて電車にのって内見していいと思って申し込みをしても
「この物件は既にUnder offer(借主と貸主が合意した状態)になっちゃって・・・」と言いわれるケースが結構ありました。
いい物件は秒で飛んでいきます。
またある物件の内見をしたときは大家が「広告出したらすぐに40件ものメッセージを受け取ったんだよね…」と言っていました。
大家によってはメッセージが来た順で対応する人もいれば、借主の職業や性別などから判断してごく限られた人数のみに内見を承諾する人もいます。
後者の場合だと大家に興味を持ってもらえなければ、もしくはまともそうな人間だと思ってもらえなければ部屋を内見することすらもできないし、
内見して大家と顔を合わせても最終的に選ばれなければDream houseを手にすることはできないのです。
特に私の場合は週1勤務で後は在宅なので内見時にはそれを伝えるようにしていましたが、
当然家賃にBill込み物件だと、大家としてはあんまり家にいてほしくないはずなので、それで選ばれなかったのかな思うことも多々ありました。(在宅が多いなら£100上乗せね、と言われたこともありました。)
内見が平日しかやってなくて仕事の合間に行かなければいけない
今や大家の立場が強い状況なのもありますが、ロンドンでは基本内見が平日の昼間もしくは5時より前までしか受け付けてないケースが多かったです。
日本の不動産は土日対応してくれるし、物件が見つかるまで丁寧に付き添ってくれるし、思えばめちゃくちゃ良いサービスでしたね。。
というわけで働きながら昼休みの時間を使ったり、あるときは就業時間をスライドさせて内見しに行く必要がありました。
上司や同僚の理解は得るようにしていましたが、なんとなく仕事を抜けることに罪悪感があり、家が見つからないことへの焦燥感と相まってかなりストレスでした。
内見自体は15分ぐらいで終わることが多いのですが、交通の往復を考えると2時間ぐらい取られることも少なくありませんでした。
家探しをどれぐらい前に始めるべきか
私は家が見つかるまでに一ヶ月半かかりました。
ただ今回決めた物件については、内見してその翌日に契約書サイン、週末に鍵の受け取り、という形だったので、極端にいえば現在の家を出る2週間前ぐらいでもギリギリ可能だとは思いますが、本当にこれは物件によります。
余裕を持って一ヶ月は見といた方がいいかもしれません。
避けた方がいいのはクリスマスシーズンと連休がある4月、みんながホリデーを取りがちな8月、と言ったところでしょうか。
多くの物件が1ヶ月ないしは2ヶ月前のNoticeを持っての退去なので、ちょうど自分が住みたいエリアで空き物件がでるタイミングを狙いつつ計画を立てながら進めていくことをお勧めします。
私が内見で必ず確認すること
人によっては見るポイントが異なるとは思いますが、私が内見で必ず確認するポイントは以下の通りです。
・隣接する部屋との壁の厚さ
・シャワーが24時間使えるか
・ハウスルールがあるかどうか
・家賃は銀行振込できるか
・日当たり
・エージェントか大家との契約物件か
・Bill込みか
・キッチン・冷蔵庫は綺麗か
・クリーナーが来るか
・駅徒歩何分か
・Wi-fiの速度(70mgbは欲しい)
・何ヶ月更新か
・部屋に鍵がついてるか
・同居人が学生か社会人か
・ヒーターの故障など問題が起きたとき誰が対応してくれるか
いくつかピックアップして解説します。
・隣接する部屋との壁の厚さ:
イギリスのシェアフラットは基本壁が薄いです。ベニヤ板で仕切られとんか?ってぐらい壁が薄いです。
ちなみに私の現在のフラットの隣の女性は深夜3時に誰かとオンラインでゲームをしていてバチくそに夜中に起こしてくるタイプの人でした。丁寧に注意しても直してくれませんでした。
壁は4方面叩いて厚さを確認しておいた方がいいです。叩いてコンコンと響くものは生活音が響きやすいということです。
ペチペチという音がする場合はコンクリートなので静かに暮らせる可能性があります。
・家賃は銀行振込できるか:
かなりいい物件でも毎月の家賃は現金しか受け付けないよ、という家に出くわしたことがあります。
そもそもこんなにキャッシュレスが進んだイギリスで毎月ATMまで行ってお金をおろすのも嫌だし、大金を現金でもって歩くのも嫌ですよね。
そもそも現金しか受け付けないなんて、怪しさの極みです。脱税なのか、違法な部屋貸しをしているのかわかりませんが怪しさ満点です。
意外とこれは広告に記載されていないことが多いので、住むつもりが微塵でもあるのであれば聞いておいた方が良いでしょう。
・ハウスルールがあるかどうか:
シェアする人間の数が多いと、洗濯機の使える曜日や時間が指定されていたり、友人を家に招くことができなかったりします。
またムスリムの方が住んでるところでは豚肉の持ち込みができなかったり、物件によっては土足が厳禁なところもあります。
家に入ってから辛い思いをしないようにハウスルールはあらかじめ聞いておきましょう。
・エージェントか大家との契約物件か:
人によっては大家との直接契約の方がエージェントに余計なお金取られなくていい、と思う人もいるみたいですが、私個人としてはエージェントの方がすきです。
特に大家と一緒に住むような部屋は、同じ家でもなんとなく上下関係があるような感じと監視されている感が付き纏って生活しずらそうだなというイメージがあります。
大家別居の部屋だとしても結局は対個人との契約なので問題があったときにすぐ適切に対応してくれるのか?という懸念から、よっぽど物件がよくない限りはあまり応募しませんでした。
エージェントは仕事としてやっているので、その点ちゃんとしてくれそうだという信頼感があります。(ひどいエージェントもあるけど)
・Bill込みか:
Bill込みの場合、電気やガスは使いたい放題なのかそれとも時間帯で区切られているのかは確認しておきましょう。
Cost of living crisisと言われる昨今、日中にヒーターをつけてくれない大家や、水道や電気の節約について厳しい大家も話もちらほら聞きます。
・キッチン・冷蔵庫は綺麗か
意外と冷蔵庫の空きスペースが十分にないのはストレスになります。
また、キッチンがどれぐらいきれいかどうかで住んでいる人の民度がある程度わかります。
内見時に忘れがちですが重要なポイントです。(一件、部屋自体はすごく良かったのですがキッチンと冷蔵庫がダメでお断りした家があります。)
・外部のクリーナーが来るか
週一または隔週でクリーナーがくる家なのか、自分たちで協力しあって共有部分を掃除する家なのか、というのは把握しておいた方が良いでしょう。当然クリーナーがいる方がフラットメイトとの争いは少ない気はします。
私が体験したやばい内見エピソード
内見を17件もすると、いろんな内見体験があって面白いです。
中でも私が今回一番驚いた内見は「大家が紙にプリントされた質問項目を一つずつ質問してくる」面接タイプの内見でした。
普通イギリス・ロンドンでの内見は15分ぐらいで終わるのですが、この時の内見は家具の一つ一つを丁寧に説明され、椅子に座らされ、何か飲むかと言われ(断りましたが)面接が始まり、トータル45分ぐらい拘束されました。
「どれぐらい在宅で働く」?などの普通な質問はまぁいいとして「髪の毛はどれぐらい落ちる?」「抗うつ剤飲んでる?」「武器を持っている?」など変な質問もありました。
大家の人が相当神経質だったみたいです。
あともう一件、大家と二人でシェアするタイプの家の内見に行ったときに「元カノが日本人なんだよね」と言われて「あっ(察し)」と思いました。
そのときはあまりにも家が見つからず精神的にも肉体的にも疲労していて、にもうここに決めてしまおうとしていたのですが、やっぱりどうかなと思い悩んで友人にも相談し、流石にそれはやばいのでは?と客観的な意見をもらって我に帰ることができたので丁重にお断りしました。
いい家が見つからない場合は
イギリスでの家探しは日本での家探しと比べると相当疲弊します。
かなりの額を払っても一人で独立したまともな部屋に住むことが難しいからです。
どうしても家が見つからないときは、優先順位を再度振り返ってみるのもおすすめです。
私の場合は
・駅徒歩10分以内
・静かで寝れる部屋
というのが必須の条件だと再認識して、それ以外は妥協することにしてからはスムーズに家を決めることができたと思います。
最後に
というわけで今回はイギリス・ロンドンの家探しでした。
家が見つからなくて、退去日も決まっている場合は焦りも出てきますが、諦めずにメッセージや電話を送り続け、内見をし続ければ必ずいい物件は見つかるはずです。
この記事が誰かの役に立ちますように。